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梅入

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「魔法少女リリカルなのは」二次創作小説 『砲撃と鉄鎚の落花狼藉』
やっとこ描き終えました。
「魔法少女リリカルなのは」二次創作小説 

タイトルは『砲撃と鉄鎚の落花狼藉』

落花狼藉って花を女性に見立てて、
「女性を乱暴する」という意味もあるんだそうです。


とりあえず、初めてちゃんと最初から最後まで作品として作れたっぽいので、なんか嬉しいです。仕事の合間をぬって書いてるので余計に。職場で手書きでメモったりとか。


という事で、稚拙な物ですが読んでいただければ幸いです。
感想もなんかあったらコメント欄で頂ければ嬉しいです。
原作の設定を特に説明しないで使いまくってるので、参考にウィキペディアのページとか見ると知らない人は分かるかもしれません。
というかオリジナル脳内魔法とか設定を出しまくってるのであんま参考にならんかも、どっちだ。
アニメを見てもらってる人なら大体分かると思います。たぶん。
ああ、ダメだなんか頭が疲れてよく回りません、すいません。
とりあえず、アニメは面白いです!最高です!
ヴィータさんが可愛いです、大好きです、幼な妻になって欲しいです!


という事で、「続きを読む」で全文表示です。



「魔法少女リリカルなのは」二次創作小説 『砲撃と鉄鎚の落花狼藉』


海鳴市の上空は無数の爆発から生まれる黒煙に塗れていた。
空を埋め尽くす無数の魔力弾、時折放たれる砲撃。
「管理局の白い悪魔」高町なのははその圧倒的魔力で目標を追撃し続ける。
「鉄鎚の騎士」ヴィータは回避行動に専念しながらも一瞬の隙を突いての直接打撃による一撃必殺を狙っていた。

一対一の戦闘に突入してから既に15分以上経過したが、膠着状態に入っていた。
ヴィータは眼下を見る。
そこには八神はやて、シグナム、シャマル、ザフィーラ、フェイト達が全員満身創痍の状態で倒れている。全て高町なのはによるものだ。

なぜ、このような惨劇が訪れたのか。始まりは昨日の晩、高町なのはの12歳の誕生日だった。
高町なのは12歳のバースデイパーティーを友人知人を招いて開催していた。
その最中に突然高町なのはは発狂した。
原因は自身の魔力を制御しきれなくなった事である。
初心者の魔術師にありがちな事である、魔術教練学校では毎年春に起こる騒動だ。
高町なのはは魔術の教練学校に正式に通うことも無く、天賦の才により魔力の制御を今まで身に付けてきた。しかしそれが限界に達したのである。魔法を身に付けた当時から爆発的に肥大していく魔力はついに術者である高町なのは自身を犯した。

暴走した魔力により元々闘争本能の高い高町なのはの性質が醜く歪められた形で表出された。
現地に居た管理局員は総出で取り押さえようとしたが全員が高町なのはの「白い悪魔」という二つ名を思い知らされた。それでもフェイト、八神はやて及びヴォルケンリッターのメンバーは高町なのはを封鎖領域空間内に閉じ込めることに成功した。
フェイトは最後まで高町なのはを説得しようと試みた。バルディッシュの光刃を彼女の喉元に突きつけるまで追い詰めたがそこに至っても説得を試みた隙を突かれ魔力誘導弾数百発の直撃で撃墜された。
ヴォルケンリッターのメンバーは得意の集団戦術を展開するも圧倒的な火力により得意の接近戦に持ち込めないままいると、高町なのは指揮官である八神はやてに集中砲火を浴びせ、それを守る形でシグナム、シャマル、ザフィーラは砲撃に飲み込まれた。残った八神はやてとヴィータ。しかし八神はやてもヴィータを砲撃から守る盾となって墜とされた。魔力消費の多い術を使用する八神はやてに長期戦は不利だった。自分の魔力が底を尽きると悟った上でヴィータの盾となった。
「あとを頼むで」
と言い残し、最後に残った魔力をヴィータに全て分け与えて八神はやては戦場に散った。


そして、現在に至る。
戦闘開始から5時間以上経過し、日付も変わっていた。
封鎖領域は現実世界に影響を及ぼさないという事が幸いな事だった。海鳴市は既に廃墟とクレーターだけになっていた。

空中で対峙する二人。
ヴィータはそこから八神はやて達を見下ろした。全員が首輪の様な魔力拘束具を付けられていた。
高町なのはも眼下を見下ろしながら言う。
「はやてちゃん達が心配?」
ヴィータは高町なのはを鋭い眼光で睨みつける。
「当たり前だ!今まで一緒に戦ってきた仲間になんてことしやがるんだ!この悪魔め!」
高町なのはは人質を取ったのだ。
戦闘不能になった八神はやて達全員に首輪型の魔力拘束具兼爆弾を装着させた。高町なのはの意思一つでいつでも自在に爆破する事が可能なものであった。
この人質を用いた高町なのはの要求で管理局も封鎖領域内に援軍を投入する事が出来なかった。その要求とは、
「誰にも邪魔されずヴィータちゃんと二人だけで全力全開で戦いたいの。約束破ったら、みんなの首が吹き飛んじゃうからね」
高町なのはは、今のこの状況を自ら作り出したのだ。
ヴィータだけを残して他のメンバーを人質にするこの状況を。


「私、ヴィータちゃんと戦いたかったの。ずっとずっと、戦いたかったの。私を初めて完膚なきまでにボロボロにして敗北を味わわせてくれたヴィータちゃん。防御については自信があったのに、そのシールドもバリアジャケットも貫いて直接打撃をぶち込んでくれたよね。だからヴィータちゃんは私にとっては特別な『初めての相手』なんだよ」
異常なまでに熱のこもった視線でヴィータを見つめながらRHE(レイジングハート・エクセリオン)を天に翳す。同時に高町なのはの周囲にショッキングピンクの魔力弾が無数に生み出される。
数百発もの魔力弾は星の輝きを打ち消すほどに怪しく輝いていた。
直後に魔力弾の豪雨がヴィータを襲う。
ヴィータはすぐさまカートリッジを発動、鉄鎚型アームドデバイス「グラーフアイゼン」とヴィータ自身に圧縮魔力を供給。
「闇の書事件」以降、管理局技術開発部で改修を施されたグラーフアイゼンはカートリッジ給弾システムをリボルバー式に変更したことで装弾数を6発に増加させる事に成功していた。
ヴィータはグラーフアイゼンをラケーテンフォルムに移行。ハンマー前部に金色のスパイク、後部に噴射ノズルが形成されロケットのように推進剤を放出。ヴィータ自身の速力とハンマー後部のロケット推力により圧倒的加速を得る。
ヴィータに襲い来る魔力弾は手動追尾弾、自動追尾弾が織り交ぜられており、更には着発信管、時限信管、近接信管と起爆方式も様々なものが組み込まれているため、振り切る事も困難を極めた。
それでもヴィータは自身の回避能力とグラーフアイゼンのノズル方向を変則的に変えることで驚異的な回避運動を見せ付けた。爆発と共に飛び散る魔力刃の余波で軽傷を負った程度で直撃は無し。この攻防が既に何度も繰り返されている。
高町なのはの得意とする「誘導弾で敵の足を殺し、一撃必殺の砲撃で葬り去る」という戦術がヴィータには通じない。砲撃を直接打ち込もうとしてもヴィータは簡単に避けてしまう。
対してヴィータも高町なのはの弾幕を掻い潜って一撃必殺の直接打撃を打ち込もうとするも中々その機会が訪れない。そんな中でもかつて高町なのはを完全敗北に追い込んだラケーテンハンマーを数回叩き込んだ、しかし今の高町なのはの重防御を破る事は出来なかった。

爆煙の影から高町なのはが姿を現す。
「楽しいね、ヴィータちゃん。もっともっとやろう。また私に熱くて痺れる衝撃を頂戴」
高町なのははその年齢に釣り合わない淫猥な表情でヴィータを見る。
「『闇の書事件』の間はヴィータちゃんとは決着がつけられなかったもんね。その後もヴィータちゃんと模擬戦をやろうとしてもいつも断られちゃうし。どうして私と犯り合ってくれないのかな?」
ヴィータはグラーフアイゼンにカートリッジを詰めながら答える。
「お前みたいな戦闘狂と模擬戦なんて出来るか!一人でオナってろ!」
その声と同時にヴィータは周囲に鉄球を数十個ばら撒き、グラーフアイゼンのハンマーヘッドで全力をもって叩く。魔力を込められた鉄球群は高町なのはに向かって襲いかかる。ヴィータが得意とする「飛翔する燕」の名を持つ中距離射撃魔法である。
回避は不可能と判断した高町なのはは瞬時に障壁を展開。次々と叩き込まれる鉄球を防ぎ続けた。
「私のシールドがこのぐらいじゃ破れないのは知ってるよね?もっとしっかり攻撃してよヴィータちゃん」
高町なのはは、眼下を指差しながらこう付け加える、
「もっと本気になれるように、誰か一人ずつ首輪を爆発させちゃおうか?はやてちゃんとか・・・あはは!絶対本気になってくれるよね、ヴィータちゃん」
その一言で十分だった。
「やめろぉぉおおおお!!」
ヴィータは再度グラーフアイゼンをラケーテンフォルムへと変形させ、高速回転しながら高町なのはへと一直線に突撃した。
高町なのははカートリッジを発動させてシールドを強化する。
「ヴィータちゃんの全力、私にぶち込んで!!」
高町なのはの口元は歪んだ微笑を刻む。
「くたばれぇえええええ!!」
金色の衝角が獲物を食い破ろうと牙を突き立てる。
遠心力、加速力、ヴィータ自身の力を込めた全力の一撃。
かつて高町なのはを倒した技。
シールドと衝角が魔力の火花を散らせながら拮抗する。
ヴィータはカートリッジを更にもう一発発動させて一気に力技で破ろうとした。しかし、その時気付いたのだ。高町なのはは今、RHEを持たない手でシールド防御している。じゃあ、RHEは今もう片方の手で何をしている?
瞬間、ヴィータは本能的に後ろへと跳んだ。

一瞬遅れてそこには、刃渡り80cm以上の魔力刃が突き込まれていた。
ぎりぎりで回避したヴィータであったが、バリアジャケットの前面部が切り裂かれていた。
ヴィータの年相応に薄く幼い胸が夜風に晒される。

高町なのはのシールドがガラスを砕いたような音と共に散る。
そこには満面の笑みを浮かべた「白い悪魔」が居た。
高町なのはの右手にあるRHEは全リミッターを解除した「エクセリオンモード」となっていた。そしてその先端部分からは凶悪な光を放つ魔力刃が生えている。

「エクセリオンバスタークラスの砲撃魔力を圧縮成型して作った槍なんだよ、コレ。凄いでしょ?コンクリでも鉄でもバターと同じように切断できちゃうんだ」
噂には聞いていた。最近シグナムと高町なのはが模擬戦を行った際、近接兵器を使用したと。しかし目の前にそれを突き立てられると恐怖で足が震えた。

見ただけでも分かる、あの槍はヤバイ。

あんなもので斬られたり突かれたりしたら確実に死ぬ。
「これで私が苦手だった近接戦闘も出来るよ。最近フェイトちゃんやシグナムさんとも模擬戦で近接戦闘訓練したし、家に帰ったらお姉ちゃんとお兄ちゃんとも修行してるんだ」
恐るべきは高町家の血。

高町家には武術家の血が脈々と受け継がれていたのだ。当然それは末子である高町なのはにも。今まで砲撃魔術に特化した戦闘を得意としていたがそれゆえに近接戦闘に弱いという弱点があった、しかしその弱点すらも克服したとなれば高町なのはに死角は無くなる。
「この魔力刃を敵にねじ込んで、刃の先端からエクセリオンバスターを零距離発射する『エクセリオンバスターA.C.S』ももちろん使えるよ。でも近接戦闘用に槍だけでも使えるようにしてみたの」
言い終わると同時に高町なのはヴィータに向かって突進。全力でヴィータに向かって槍を振り下ろす。
反射的にシールドで防御するヴィータ。
しかし鋭い金属音とともにヴィータのシールドは真っ二つにされた。
「ヴィータちゃん、これからが本番だよ。良い声で鳴いてね」
高町なのはは自分の身の丈を大きく上回る長槍を慣れた手付きで構えなおす。
「ヴィータちゃんの泣き声、聞いただけで気持ち良くなっちゃうかも。闇の書事件の時だってヴィータちゃんが痛みを堪えて必死にはやてちゃんを守っている姿を見ていただけで私、凄く気持ち良かったの。お腹の下がね、熱くて溶けそうになるんだよ」
高町なのははこの世の者とは思えない空気を纏っていた。
少女の純粋と娼婦の淫靡を併せ持つ異常な生き物。


戦局は一変した。
熾烈な接近戦が空中で繰り広げられる。
ただ、本来であれば接近戦を得意とするはずのヴィータが防戦一方となっていた。
単純に長槍と鉄鎚のリーチが違いすぎるのだ。加えて長槍はヴィータのシールドを紙切れのように切り裂き、貫く。
ヴィータは数個の鉄球を取り出し鉄鎚で高町なのはに向けて打ち込む。赤熱する鉄球が弧を描きながら高町なのはに突き進む。
高町なのははそれを片手を差し出すだけで待ち受ける。
直後に爆裂音が連鎖、空気を震わせる。
せいぜい牽制程度の効果しかない事も理解している。ヴィータはこの僅かな時間を使って次の一手を考えなくてはならなかった。
しかし、爆煙が消えると高町なのははどこにも姿が見えなくなっていた。
「なに!?」
シールドだけを残して本体は移動した?
ヴィータは急いで索敵魔術を発動しようとする。

「慌てるヴィータちゃん、可愛いよ」
甘い腐臭を漂わせるかのような声が背後から響き、ヴィータの全身が硬直する。
それと同時にヴィータの白い首筋に生暖かい感触が這いずり回る。
高町なのはは真っ赤な舌でヴィータの首から鎖骨までを犬のように舐めまわし、犯す。
ヴィータの耳元に呼気が届く程の距離から囁く悪魔の声、
「ヴィータちゃんの血と汗の味、すごく甘くて美味しいよぉ」
「や、やめろぉ!」
ヴィータは振り向き様に鉄鎚を薙ぎ払う。高町なのはは一瞬で距離をとって避ける。
今の高町なのはは砲撃魔導師ではない、むしろ近接戦闘を得意とした槍兵、機動性が格段に向上しているのはそのせいだと、直感的にヴィータは理解した。

高町なのはが妖しく熱を帯びた目で犯すようにヴィータを見つめる。
「そうだ、ヴィータちゃんははやてちゃんの魔力を元にして生まれてるんだよね。はやてちゃんさえ生きていれば何回でも蘇るし、齢もとらないんだってね。ていう事は不老不死と言ってもおかしくないよね」
ヴィータは高町なのはの声を聞いているだけで吐き気を催しそうになる。
「そうなるとね、そうなるとね!私はヴィータちゃんを何回でも壊せるって事だよね。色んな方法でヴィータちゃんが泣いたり、叫んだり、怒ったりしながら壊れていく所が見られるってことだよね!いっぱいいっぱい犯ってあげるよ。私が丁寧に大切に綺麗にヴィータちゃんを壊してあげる!」
高町なのはは年相応の少女らしい可憐な笑顔でヴィータに微笑む。
ヴィータは首筋に残る高町なのはの熱と不快感が全身に広がっていくのを感じた。
「だから、はやてちゃんだけは生かしておいてあげるね。あ、はやてちゃんの前でヴィータちゃんを壊したりするのも良いかも。ああ、それよりもヴィータちゃんの前ではやてちゃんを少しずつ壊していった方がヴィータちゃんは良い声で鳴いてくれるのかな?」
これを聴いた瞬間、ヴィータの瞳孔が猫科動物の如く拡大する。
鉄鎚のグリップを全力で握り締めながらヴィータは叫ぶ。
「このイカレタ化け物が!」
カートリッジの発動、鉄鎚に金色の牙が生える。
ヴィータは高町なのはに向かって一つの弾丸となって疾走する。
高町なのはは長槍を構え、突進するヴィータをじっと見据える。
推進剤の加速力と回転による遠心力を受けた鉄鎚は金色の牙で高町なのはに食いつこうと猛然と迫る。ヴィータは絶妙なハンドリングで高町なのはの頭部目掛けて全力で鉄鎚を叩き付けた。
高町なのはは片手でシールドを張り防ぐ。そしてもう片方に手にある悪魔の長槍でヴィータを串刺しにしようとする。歪んだ口元からはヴィータを刺し貫く感触を想像して涎が滴り落ちる。
「最初は手足を切り落とされて、泣きながら痛がるヴィータちゃんを見せてぇ!」
一切の無駄も躊躇も孕まない斬撃が円弧を描きながらヴィータに迫る。
防ぐ事も受ける事も出来ない刃をかわし続けるヴィータ・・・カートリッジを装填。
鉄鎚のハンマー部に魔力が凝縮される。
大振りの一撃をかわし素早く懐に潜り込み、ヴィータは鉄鎚をフルスイングした。
高町なのはの腹部に着撃、同時に閃光と火焔が生まれ、大音響を伴い周囲を真っ赤に染め上げた。
フランメ・シュラーク。ヴィータの魔力付与を伴う打撃魔法、着弾と共に高温燃焼を伴い炸裂、目標を焼夷効果のある火焔で飲み込む。
ヴィータは以前、高町なのはにこの魔法を用いた際、一切のダメージも与えられなかった。
炎の中から悠然と歩み出てきた高町なのはを見て「悪魔」と評した事が思い出される。
悪魔の声が燃え盛る炎の中から聞こえる。
「懐かしいね、この魔法。ヴィータちゃんが涙を零しながら戦う姿は凄く感動的だったよ。でも、この程度の魔法じゃ時間稼ぎにもならないよ!」
長槍が横一文字に振るわれると共に高町なのはにまとわり付いていた炎が四散する。


しかし高町なのはは動けなくなっていた。
高町なのはの周囲を鉄球が無数に囲んでいた。まるで猛獣を捕らえる檻のように。
ヴィータは50m程の距離をとった場所で既に発射体制を整えていた。
足元には鉄球が一つ転がっている。それをヴィータはまるでゴルフスイングのように素振りをしながら位置を調整していた。
「私、日課で老人会のゲートボールに参加してるんだけど、そこに講師で来てる『月光』っていう変な名前のオッサンが居るんだ。『お前には天稟がある』とか言って色々変な技を教えてくれたんだけど、こんなとこで役に立つとは思わなかったよ」
カートリッジ発動、今やゴルフのドライバーとなった鉄鎚を上半身をねじりながら振りかぶる。
「チャク家流最大奥義、纏劾狙振弾 グロッケンシュピール!!」
高速でスイングされたハンマーヘッドが鉄球の芯を捉えて一直線に高町なのはへと突き進む。
高町なのははシールドを前面部に展開する。
しかし、鉄球は高町なのはに着弾せず、その周囲に設置された鉄球に直撃した。
一つの鉄球が別の鉄球に当たる、その勢いで更に別の鉄球に当たり・・・それが繰り返される内に高町なのはの周囲を囲んでいた無数の鉄球はお互いぶつかり合う事で高速を伴い飛翔し続ける。
まるで鉄琴だけの独奏音楽かのように甲高い音が高町なのはの周囲を取り囲む。
突然、数発の鉄球が別々の方角から高町なのはに向けて飛び込んでくる。瞬間的に360度全方位型障壁を展開し防ぐ。それに引き続くように不規則にあらゆる方角から飛び込んでくる鉄球。鉄琴の音と爆裂音が協奏曲となり荒野と化した海鳴市の上空に鳴り響く。
「お前の槍も今は使えないだろ。魔力を普段の倍以上込めた鉄球だ。いくらお前でも魔力消費の大きい槍を維持しながら強力な全方位型の障壁を張る事は出来ないはずだ」
ヴィータは既にラケーテンハンマーの体勢に入っていた。ノズルから噴射されるロケットは今までよりも一際大きい。
「あとは一点突破でお前を障壁ごとぶち抜くだけだ!!」
竜巻のような回転を伴いヴィータの鉄鎚が唸りを上げて障壁とぶつかり合う。
鉄鎚から生えた金色の牙が障壁にめり込む。
「まずい」高町なのはは初めて危機感を感じた。今までは一部分だけに強力なシールドを張って鉄鎚の打撃を防いでいたが、今は自分の全方位に障壁を張っているため、薄い。鉄鎚を防ぐには全方位型の障壁では薄すぎるのだ。
ヴィータは自らの鉄球による爆発の余波を受けながらも更に鉄鎚をねじ込もうと腕に力を込める。

高町なのはは障壁内部から次第に突き込まれ始めた鉄鎚の先端を見ながら頭の中が沸騰し、どこまでも落ちていくような感覚に襲われた。脳裏に焼きついた過去が蘇る。

「ヴィータちゃん、思い出したよ。この状況は私がヴィータちゃんに『初めて』をあげた時と同じだね。今度は負けないよ。私が、ヴィータちゃんを犯す番なんだよ!」
高町なのはは獣のように雄叫びを上げる。
同時に障壁が突然消滅した。
ヴィータは全力を込めて突きこんでいた鉄鎚を勢いそのままに振るった。空振り。高町なのはは纏めた髪を一房薙ぎ払われただけで鉄鎚の一撃をかわしていた。
空振りして高町なのはに背中を見せながらもヴィータは瞬時に鉄球の魔術を調整。全ての鉄球が一つの甲高い音と同時に高町なのはに迫り、直撃。
巨大な爆破の衝撃で近くに居たヴィータ自身も吹き飛んだ。

完全に直撃した手ごたえはあった。いくら高町なのはといえど無傷ではすまないはず。
戦果を確かめるべくヴィータが高町なのはの方へ振り向いた瞬間、
「私の勝ちだよ、ヴィータちゃん」
爆発で全身ずたぼろで傷だらけの状態になった高町なのはが魔槍の刃をヴィータの腹に突き刺していた。
「残念だけど、私の防御を完全に破るには威力が少し足りなかったみたいだよ」
光刃がヴィータの臍より下の部分から突き入れられ、背中から血塗られた先端部分を見せていた。
熱を持った苦痛。自身の身体に異物が挿入されていることを痛覚がヴィータに伝えていた。
「伝わってくるよ、ヴィータちゃんの鼓動が。血がドクドク流れてるね。ああ、お臍の下に刺さっちゃって、女の子の大事な部分なんだよ、ココ。大切にしないといけない所なんだよぉ」
高町なのはは手首をゆっくりと捻って槍を抉るように回転させる。
肉と内臓が音を立てて滅茶苦茶に掻き混ぜられる激痛、ヴィータの悲鳴が空に木霊する。
高町なのはの白いバリアジャケットがヴィータの返り血で真っ赤に染め上げられる。

ヴィータの悲鳴を間近で聞いて高町なのははこれまでに無い恍惚とした表情を浮かべる。
「私の太いのぶち込まれて気持ち良い?可愛い、可愛いよヴィータちゃん!もっと、もっと鳴いてよ!」
高町なのははヴィータの下腹部にそそり立つ男根に見立てた槍を回転させたり押したり引いたり上下左右にねじ込ませ、好き勝手に犯し尽くす。ヴィータの腹部がまるでミキサーにかけられたように蹂躙される。
苦痛による絶叫が空を覆う。ヴィータは気丈にも意識を失わずに耐えた。今ここで意識を失えば確実にバラバラにして殺されると確信していた。
高町なのはは苦痛に呻くヴィータの腹に顔を寄せ、臍から上へと舌を這わせる。
ヴィータの幼い乳房を吸い込み、乳首を甘く噛む。高町なのはの口内からの出血とヴィータ自身の出血により雪のように白い素肌は赤く汚され、穢され、犯された。
「私、ヴィータちゃんのこと大好きだよ。顔も手も指も胸も乳首も肉も血も骨も内臓も大好きなんだよ!!」
狂人の嗤い声が世界を飲み込むかのように広がる。

ヴィータは意識が飛びそうになるのを堪えていた。
・・・反撃のチャンスを見つけないと。はやてを助けないと。
地上で倒れているはやてと仲間達を見る。
今まで永遠の時を闇の書と共に歩み続けてきた自分が手に入れた初めての幸せ。
無限に続く暗闇から救い出してくれたのが今の主人、八神はやて。
絶対に守らなくてはならない。
だから、もう迷いは捨てる。


夢中でヴィータの乳房に犬歯を突き立て噛り付き、右手の槍ではヴィータの下腹部を捻り回していた高町なのはが異変に気付く頃には、ヴィータの準備は整っていた。

「うふふ、まだ何かやろうとしてるの?本当にヴィータちゃんは頑張り屋さんで可愛いなぁ。でももう無理だよ。自分のお腹、見えてる?色んなものがはみ出しそうになってるんだよ」
ヴィータにそんな言葉は聞こえない。
高町なのはを仕留める事だけに集中する。
「この世界の映画で『今日は死ぬには良い日だ』って台詞があったけど、今はその気持ちが良く分かるよ。高町なのは、お前は死んでも倒す!」
ヴィータは腹部の異物感と激痛を無視、足を振り上げて全力で高町なのはの顔面を踏み付ける様に蹴り飛ばす。同時にヴィータに突き刺さっていた槍も引き抜かれる。
高町なのはは魔槍と共に鼻血を吹き出しながら地上に落下。アスファルト舗装された路面に巨大なクレーターが刻みつけられる。

ヴィータはこの隙に腰のリボンを使い腹部の傷を縛った。・・・これでもう少しは動ける。
回転弾倉が連射音を上げ、グラーフアイゼンに装填されていたカートリッジ六発が一度に全て発動された。硝煙が立ち込める中、ヴィータは鉄鎚を全力で握る。
「次で全部終わりにしてやる」
膨大な魔力を注ぎ込まれたグラーフアイゼンが主人の言葉を体現する為に相応しい姿へと変貌を開始する。




地上に生まれたクレーターの中心部。
瓦礫を払いのけながら、立ち上がる高町なのは。自身の出血とヴィータの返り血で本来は白いバリアジャケットも赤と白の斑模様になっている。
「そんなにボロボロになってるのに、まだ頑張っちゃうの?凄い、なんて健気なの!可愛い、可愛いよ。もっともっとグチャグチャに犯しても立ち上がれるのかな?今度は指を一本ずつ切り落としてあげるね。何本目まで我慢できるか勝負しようよ!」
空中に居るはずのヴィータへと視線を動かそうとした時、高町なのはは身体に何かが巻き付いていることに気付く。
鉄球である。
鉄球が数珠繋ぎとなって高町なのはの身体に何重にも巻きついている。
少しも動けないほどに縛り付けられている訳ではないが、この鉄球は敵を拘束することを目的としている訳ではないから当然である。
「なに、これ?私を蹴っ飛ばした時、同時に巻きつけておいた・・・?」
高町なのはは瞬時にこの状況がヤバイ事に気付く。しかし、もう手遅れ。
必死で自身に巻きついた数珠を外そうとしている姿はまるで、昔話に出てくる鬼のようである。
高町なのはに巻きついた鉄球が定刻を迎えた。
時限発火機能が作動し、全てが同時に起爆。
鉄片と火焔を撒き散らしながら高町なのはは百八発分の爆撃を全身で味わった。

対人用近接爆破魔術。大量の鉄球を連結させて作り上げるチェーン・マイン。
ヴィータが相手の生死を問わない場合にのみ使用する魔術である。

近くにあったビルを数棟なぎ倒すほどの爆発と衝撃。まるで落雷。

まだ周囲に炎が立ち込めているクレーターは爆発により大きさが増していた。
その中心地。
爆煙の味を噛みしめながら高町なのはは倒れこんでいた。
満身創痍。
上半身のバリアジャケットはほとんど消失。まだ幼いが成長の兆しが見える身体が晒される。
左腕の傷に至っては骨が露出する程に肉を抉り取られていた。
RHEを支えにして立ち上がる。
まだ戦える。高町なのははこの程度では止まらない。
「まだ犯れるよ!ヴィータちゃん、私はこの位じゃ倒せないよ!もっともっと凄いので私を犯して!私もヴィータちゃんのことバラバラに引き裂いて愛してあげる!」
高町なのはの叫びが廃墟に響く。


その声に答えたのは、空に響く轟音だった。
巨大な鉄塊が大気を引き裂く竜巻と共に高町なのはに向かって突き進んできた。
ラケーテンハンマー・ギガントシュラーク。
目標を打ち抜く衝角とロケット推進により強力な打撃を行う技を、ただひたすらにスケールアップした魔術。ヴィータの現有する最大破壊力の魔術であり、本来は対艦対要塞を目的とした戦術級の魔術である。グラーフアイゼンのカートリッジ最大装填数が六発に増加した事で実現した魔術でもある。
その姿はまるで大型ビルが火を噴いて飛んでいるようだった。
一振りごとに空気を引き裂いて大音響を上げる鉄鎚。
ヴィータは両腕の筋肉が軋む音を聞きながら、極大質量兵器を振り回す。
「ごめんな、はやて」
主人に対する謝罪。
八神はやてが自分の主人になってから「殺し」は一度として行っていなかった。
主人が殺人を喜ぶはずが無いのは分かりきっている。だからどんな時でも最低限、敵の命は奪わないように心がけてきた。
しかし、高町なのはだけは別だった。
手加減をしては手に負える相手ではない。
それはヴィータが初めて高町なのはと戦った時から感じていた事でもあった。
全身全霊の力を込めて、一切の躊躇も無くヴィータは高町なのはを消滅させるべく、山のような鉄塊を更に加速させた。



高町なのはは空を覆いつくす程に巨大な破壊槌を呆然と見上げていた。
脳裏に去来する過去の情景。
ヴィータと初めて会った事、初めて戦った事、初めて完全に敗北した事。
眼前に突きつけられた鉄鎚。
圧倒的な死のイメージ。刻み付けられる死の恐怖。
生殺与奪の権利を相手に全て握られた事による絶望感。
自分に初めて「死」を教えてくれた彼女を高町なのはは深く愛し、恐れていた。
高町なのはにとってヴィータは恐怖を具現化した姿であった。

狂った高町なのはがヴィータと一騎打ちを望み、激しく陵辱したのは「死の恐怖」を超えようとする儀式だった。
しかし、その儀式も失敗した。
「死の恐怖」は今や高町なのはをこの世界から消滅させるために破壊の鉄鎚となり、全力で振り下ろされようとしている。

「こんなので、終わり?嫌だ、嫌だ!!」
あの時と同じ思いが口から漏れる。
今の高町なのはを突き動かすのは死の恐怖に抗う心。

高町なのははRHEを構える。未だに自身から尽きる事無く溢れ出る魔力を全て凝縮させていく。
杖の先端部に膨大な魔力を圧縮した光球が生まれる。周辺魔力を巻き込み集積した光球は直径三十メートルを超える大きさとなる。
約五秒、砲撃準備が完了した。


天空から振り下ろされる超大な鉄鎚が水蒸気の輪を生み出しながら先端部の衝角を高町なのはへ寸分の狂いも無く振り降ろす。

その鉄鎚先端部に向けて、高町なのはは渾身の砲撃を放つ。
スターライトブレイカーEX。
高町なのはの最大魔術、最後の切り札。
自身の限界を遥かに超えた極大の魔力砲が轟音を伴い放たれる。発射時の余波で杖の先端部が溶解。術者である高町なのはの両肩は発射の衝撃で脱臼した。


鉄鎚の先端部と魔力砲が空中で激突。
瞬間的に広がる衝撃波。雲が千切れ飛び周囲のビルが倒壊する。
音をも飲み込む爆圧がせめぎ合う。

光の柱が鉄鎚を支える、非現実的な光景。

「高町なのはぁ!」
ヴィータの叫びに呼応して鉄鎚のロケットが火山の噴火のように推進剤を噴き出す。
先端部の巨大な牙がビームを噛み砕き獲物へと侵攻を始める。

拮抗が破れる。

高町なのはは獣のように吠える。死の恐怖を覆すために。
「死にたくない、死にたくない!!」
その瞬間、魔力砲が倍以上の口径となり膨大な魔力を吐き出す。
津波のような魔力砲が鉄鎚を下から押し上げて弾き返す。
高町なのはは笑う。笑いながら吐瀉物を吐き、泣いていた。
今、自分は死の恐怖を超越した。
最高の快感を全身で感じていた。
だが、勝利を確信した高町なのはの耳に、一つの音が衝撃と共に訪れた。

何かが砕ける破砕音。
手に衝撃を伴い訪れた音は亀裂だらけとなった杖の先端部から発されていた。
やがて破砕の亀裂はグリップ部分にまで達した。

限界。
デバイスであるRHEが高町なのはから放出され続ける暴力的な魔力に耐え切れなくなったのだ。
「そ、そんな、いや、ダメ、だめ!」
高町なのはの悲痛な叫び。それを聞き入れる事無く、RHEは核である赤い宝玉を残し、他は破片すら残さず完全に粉砕した。
高町なのはは絶叫する。
命そのものを搾り出すかのような恐怖の悲鳴。

支えを失った鉄鎚は容赦なく高町なのはの悲鳴を掻き消しながら振り下ろされる。
ヴィータの声が大気を切り裂き高町なのはに届く、
「これが私の全力全壊だ!」
高町なのはを巻き込み大地に突き刺さる超大な鉄鎚。
封鎖領域に光が満ちる。
半径数キロに渡り大地が隆起した後、地上にある物を全て巻き込んで噴火した。
噴煙と土砂を伴い空中に巻き上げられたあらゆる物が塵になる。
世界の終末。

音すらも消えた世界は光に満ちていく。


―――振り下ろされた鉄鎚を中心に光が次第に消えていく。
封鎖領域の世界には剥き出しの大地と海だけが広がっていた。
ヴィータの完全勝利である。




数日後。
管理局員専用の療養施設にヴィータは入院していた。
高町なのはとの戦闘で受けた腹部のダメージは深刻だった。幾つもの内臓器官をグチャグチャに掻き回され、戦闘終了後には半死半生の状態であった。駆けつけた医療隊員の適切な処置とシャマルの治癒魔法でかろうじて命を繋いだ。
しかし数日間の療養生活でほぼ全快にまで回復していた。魔力生命体の特権、主人である八神はやてが居る限りは決して死ぬ事の無い不死不滅の存在。

実のところ、高町なのはとの勝負は最後の一撃を待たずして決着していた。
ヴィータへの拷問に夢中になっていた高町なのはの隙を突いてクロノが倒れていた八神はやて達全員を封鎖領域外に脱出させ、爆弾付き魔力拘束具も解除していた。
その時点でヴィータの最優先目的は達せられていた。
拷問に耐える事も作戦の内だったのだ。
仲間達全員の脱出を確認後、高町なのは撃墜に移ったのである。
手加減一切なしとなれば、高町なのはを葬れるのは自分を置いて他に居ないという確信があった。こうして勝利したという事実が何よりの証拠でもある。


ヴィータは病院服とスリッパでとある区画を目指して歩いていた。
通称「D病棟」と呼ばれる場所。犯罪を起こした魔術師が運び込まれる病棟である。
「D病棟」の入り口で身体検査を受けてからエレベーターに乗り、目当ての階へと登る。
程なくして目的地である病室に到着。

「高町なのは」の表札が張られたドア。

ゆっくりとドアを開けるヴィータ。
「あ、いらっしゃいヴィータちゃん」
高町なのはが満面の笑みを浮かべて出迎える。
全身包帯だらけ、顔以外の部分は素肌の露出した部分が無いほどである。

奇跡的にも高町なのはは生き延びていた。
元来の防御力の高さもあっただろうが、最後まで主人を守ろうと赤い宝玉だけとなったRHEが障壁を張り高町なのはを消滅の危機から守っていた。
しかし、魔術師の魔力の源であるリンカーコアにまで損傷を受ける重傷を負った高町なのははこうして入院生活を送っていた。
暴走の原因であった魔力の肥大化も今はナリを潜めている。

病室に供えられている簡素な椅子に座るヴィータ。
高町なのはが話を切り出す。
「ヴィータちゃん、本当にありがとう。私、どうしてあんな事したのか自分でも分からないの。自分でやった事は全部憶えてる。まるで夢の世界みたいだった。自分の姿をずっと後ろから見ているような感覚。自分ではどうしようもなかったの。ヴィータちゃんが止めてくれなかったらどうなっていたか考えるだけでも怖い」
複雑な気持ちのヴィータ。完全に殺すつもりで戦った相手から感謝の言葉を受けるとは思っていなかった。
「まぁ良かったな。犯罪者として逮捕されなくて。私達と同じ保護観察扱いになるみたいだけどな」
高町なのはの暴走は管理局の魔術師育成の管理問題に発展した。
魔力の制御という魔術の根幹を成すべき技術を魔術師達にしっかりと身に付けさせていたかと、その維持管理が出来ているかをチェックする機能の甘さが露見した。また、高町なのはのように民間出身の魔術師に対する十分な教育体制を構築していない事も問題に挙げられた。
そのため今回の事件は、管理局自身の問題もあり高町なのは個人に責任の全てを押し付ける事にはならなかった。よって高町なのはは保護観察処分となった。実質的には無罪放免のようなもの、観察者はクロノである。当然この結果も裏でクロノが色々と手を回したことによっている。

ヴィータは病室の棚に置いてある見舞いの果物を見る。
色とりどりのフルーツが添えられた豪華なものである。先日フェイトが持ってきてくれたものだった。
「食べていいよ、ヴィータちゃん。私は今、自分じゃ食べられないし」
ヴィータはぱっと明るい顔になる。
早速リンゴを一つ取ると、引き出しにあった果物ナイフで器用に皮を剥いて兎の形にして切っていく。あっという間に六つの兎が現れる。
ヴィータは爪楊枝を刺して、自分の口に入れようとして止める。
「お前も、食べるか?」
ヴィータから思いも寄らぬ言葉を聞く高町なのは。
「い、いいよ。ヴィータちゃん。遠慮しないで」
ヴィータは高町なのはの左腕の傷の度合いを聞かされている。
一度、引き千切れたらしい。辛うじて接合させられたが完全回復するには数年かかると聞いた。
ヴィータは高町なのはのベッドの傍まで寄ってリンゴを口元に運んだ。
「散々私のことを拷問してくれたお礼だ。一応拷問訓練も受けた経験があるとは言え、やっぱりすっごい痛かった。まぁ最近鈍ってたから良い刺激にはなったよ」
そう言って口元を歪めて笑うヴィータ、嫌味をたっぷりと含んだ笑顔。
「え、え、あの、どういたしまして・・・かな?」
困り顔で答える高町なのは。
その口に兎リンゴを同時に2つも突っ込むヴィータ。
「何が『どういたしまして』だ!この馬鹿!二度と暴走なんかするんじゃねーぞ!」
そう言いながら残った兎リンゴも全部高町なのはの口に放り込む。
咳き込みながらなんとか咀嚼してリンゴを飲み込む高町なのは。

その表情は決意に満ちていた。
「うん、私もう絶対に暴走なんてしない。自分の魔力は制御しきってみせる」
真摯な眼差しでヴィータを見る高町なのは。
「私、将来は戦技教導官になろうと思ってるんだ。この失敗を活かして多くの人達に魔術を教えていきたい」
高町なのはは重傷患者とは思えない程に晴れやかな表情だった。
ヴィータはそんな高町なのはが少しだけ、本当に少しだけ羨ましかった。
「私はいつまでもはやてと一緒だよ。それが一番の幸せだからな」
自分で言ってヴィータは顔を赤くして恥ずかしがる。
それを見て高町なのは微笑む。
「ヴィータちゃん、可愛い」
その言葉を聞いて顔が引きつるヴィータ。
高町なのは目を輝かせながら言う。
「怪我が治ったら、また模擬戦で戦おうよ。今度は負けないよ」
ヴィータは眩暈がしそうだった。
「この悪魔!絶対に嫌だ!もうお前とは戦わねー!」
ヴィータの絶叫が病棟に響き渡る。



この数年後、高町なのは驚異的な回復力で復帰後、目覚しい活躍を経て戦技教導官としても実績を積んでいく事になる。
これはそんなエリート魔術師の笑い話として語られるお話の一つ。

-終わり-

テーマ:日記 - ジャンル:アニメ・コミック

自作小説 | 07:19:00 | Trackback(0) | Comments(4)
コメント
元ネタまったく知らなかったんですが
普通に楽しく読ませてもらってしまいました。
いや、シグルイをググって吹っ飛んできたんですがもともとは。

戦闘シーンのスピード感は二点三転する戦況とあいまって申し分なかったと思いますし、いろいろとふりきれたセリフでさらに加速されている感がありました。

あのセリフ回しはもう、そのての文章ではないのにここまでエロいのはすげえなあ、と。
自前の小説でもこういうキャラを出したいと思っていたのですが、あらゆる面で数段上をいかれた気がして口惜しいやら参考になるやらです。

あと魔法少女モノに○塾ネタを捻じ込む勇気とか。
これも同じようなことを考えていて妙なシンパシーを感じます。迷惑ですか、そうですか、すみません。

壮絶な決着でしたが後日譚が巧くて読後感もよく……。
お見事でした。

また、ちょくちょく寄らせてもらいます。
2007-03-20 火 03:04:18 | URL | myz [編集]
男塾大好きです
>myz様

初めまして。お褒めに預かり光栄です。嬉しいです。

私、生涯初めて読んだ漫画が男塾で一番好きな漫画も男塾です。
鉄球をハンマーで打ち出して戦うと言ったら光速で月光の奥義を思い出します。
男塾ネタは結構汎用性高いと思うんですけど、どうなんでしょうか。


元ネタ知らなくても楽しんで頂けたようで幸いです。
元ネタ知ってるの前提で書いてたので、そう言って頂けるとありがたいです。
でも勝手に考えた妄想魔術とか設定も多々入っているので元ネタに出てこないようなのもあるんですが。
原作も面白いのでお勧めです。
変身魔法少女モノの皮を被った熱血魔法少女バトルアニメです。


今回、初めて二次創作という形で書いてみたのですが、とても書きやすかったです。
原作の設定がとても面白いので使いがいがあるというかなんというか。

文体とかも色々試行錯誤しているのですが、今回のような形式が一番自分にしっくりくるなぁというのも確かめられたので実りのある作品だったなぁ、と自分では思っています。


また、エロいと言って頂けて嬉しいことこの上ありません。
ヴィータさんのお胸が晒された所とか自分では好きです。一行だけですが。
ヴィータさんのエロ拷問シーンだけで一時はウッカリ5000文字ぐらい書いてたのでかなり削除したりしました。
強気の女の子が色々我慢している姿って可愛いですよね。


後日話については正直なところ、1時間ぐらいでノリで書いてしまいました。
もう少し時間とって書きたかったんですが、あれはあれで良いかなとも思っています。
一応、大枠では少年漫画っぽい?お話になってるんじゃないかなと思っています。


まだまだ稚拙で、細かい文章のミスとかも残っていてお恥ずかしい内容ですが、お褒めの言葉を頂きありがとうございます。
感想をもらえて本当に嬉しいです。

仕事の合間を縫いながら書いてるので進行スピードが遅いのが悩みなのですが、これからも短めの作品をちょこちょこ載せようと思いますのでよろしければ見てください。
日記の方がどうしてもメインになってしまうんですが。

という事でお褒めの言葉を頂きヤル気と力が湧いてきたので、創作小説の方も書き進めて行きたいと思います。
2007-03-21 水 22:00:49 | URL | 入 [編集]
はじめまして。

読んだとき、まず「うおーーー!?」ってな感じでした。
もちろんネタはほとんどわかっております。
なのはとヴィータ決闘ネタはいくつかありますが、発狂という形で見たのは初めてでした。

スピーディーな戦闘シーンはかなりおもしろかったです。キャラのセリフや感情なども織り交ぜられていたので、そのシーンが奇麗に頭の中に浮かんできました。
オリジナルの設定もすごく良かったです。とくになのはが近接戦闘をするっていうのは、実際にあったらまじで最強ですね。本当にし「WHITE DEVILE」になっちゃいますよ。

まあ、後日談(?)もいい感じで終わってる感じがしますので、読んだ後の気分はなかなか爽快でした。

また寄らせていただきます。

実は僕もリリカルなのはの二次創作を作っている最中なのですが、これがなかなかうまくいかなくて。
とくに戦闘シーンは難しいですね。

リリカルなのはは現在第三期に入りましたが、十年後で十九歳。これで魔法「少女」ってどう思います? 
ぼくはむしろ「魔砲戦記」ぐらいにしたほうがいいと思っております。だって十九歳で「少女」ってねえ。
俺よりも年上って…。
でも大好きです。

2007-05-07 月 13:38:33 | URL | kiti [編集]
>kiti様

御感想ありがとうございます。
やっぱり感想を貰うと嬉しいです。漫画家が「読者の応援が一番の力です」とよく言いますが、その気持ちが少し分かったような気がします。


なのはの事知ってる人でも楽しんでもらえると分かったので少し安心しました。
なのはファン層が三面拳の月光を知ってるかどうかが凄く不安ですけど、とりあえず大丈夫だと思う事にします。


発狂してるなのはさんを書いてる二次創作作品て意外と少ないかなーと思います。
「フェイトちゃんが可愛くてつい暴走しちゃった」とかいうネタは定番ですが、完璧に狂気に捕われたなのはさんを書いてる同人誌(漫画、SS含め)は思ったより少ないように思います。

という事で、小説とかのネタを思いつくと呼吸をするのと同じぐらい自然にヤンデレもしくは病んでるキャラが出てきてしまう私の二次創作は意外と他の人とかぶらないかなーと思ってます。


戦闘シーンについては極力台詞を挟まないように心がけました。
元々台詞が少ない書き方しかできないのですが、更に注意して。
例えばヴィータさんの悲鳴も「うあぁぁ!」とか入れないように。
台詞にしちゃうと軽く見えちゃうかなぁ、と思って。

あとなのはさんの槍についてはもうちょっと動かしたかったかなぁと今は思います。
蜻蛉が跳ねるように縦横無尽に刃を振り回すなのはさんとか描写できればよかったかも。次回以降への課題です。
つうかなのはさんにも武道家の血が流れてるんだから近接戦闘は出来そうな気もするんだけどなぁ、原作でもなんかやってくれないかなー。


私も二次創作小説を書くのはコレが初めてでした。
それまではレポート、論文、報告書、契約書などしか書いた事ありません。なので偉そうにアドバイスなど出来ないのですが、とりあえず自分の中に湧き上がるリビドー全開に書けば良いんじゃないでしょうか。戦闘シーンとか私はそんな具合でした。
ヴィータさんが虐められながらも健気に頑張っちゃう姿を夢想しながら書いてたら戦闘シーンは出来上がりました。



で、第3期。19歳。
前向きに考えてみると、
中学生時代とか高校生時代は二次創作し放題なんじゃね!?
と思います(雑誌で漫画の連載やってるたいですけど)
そういう面ではある種楽しめるかもしれません。

とりあえず19歳だから魔法少女から魔法乙女とか魔法淑女とかに改名しても良いかもしれませんね。

第3期のネタも作ってはみたいんですがまだまだ原作の風呂敷が広がりきらないのでもうちょい待ってから考えたいです。


とりあえず、今フェイトさんとアリシアさんが姉妹喧嘩するネタ書いてます。
アリシアさんがヤンデレってます。フェイトさんが虐められます。
あと1,2ヶ月くらい掛かるかもしれませんが完成したらここに公開するのでよろしければまた見てやってください。


それでは御感想ありがとうございました。
2007-05-07 月 21:51:17 | URL | 入 [編集]
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